ブライアンにはまったきっかけの一枚

僕がBB5を意識して聴いたのはいつだろう。子供の頃から夏には「サーフィンUSA」や「カリフォルニアガールズ」辺りのヒット曲が自然とどこかで流れてて聴いていたように思います。自分で買ったのは中3の時ラジオで特集があって、いいなと思ってベスト盤を買いました。(名もないひたすら安いベスト盤で、お金のない僕はこのシリーズでシカゴやイーグルスホール&オーツも買いました。)
「らんらんぎるらん」の「I Get Around」はこの頃から大好きな曲でした。
10代後半頃、バイトで羽振りが多少良かった僕は、洋楽の名盤と言われるものをとにかく手当たり聴きたくてレンタルしたり買ったりするようになって、その中にBB5の「ペット・サウンズ」がありました。もう毎晩聴いたなあ。
そんな頃、95年にブライアンウィルソンののソロアルバムが出ました。ビーチボーイズ時代からソロまでの、楽曲を唄ったセルフカヴァー。ブライアンの半生を描いたドキュメンタリー映画のサントラでした。タイトル「駄目な僕」。
これが僕が初めてタイムリーに買ったBB5及びブライアンの作品でした。そして僕がブライアンウィルソンという人の魅力を感じ、本当の意味でファンになった一枚だったと、今振り返って思います。後で知ったことですが、この頃のブライアンは精神科医ユージンランディの過剰なマインドコントロールからようやく離れられ(92年、裁判で法的に二人は引き離されました。)、この作品は、そうした「リハビリ」的な要素もあったんだなと思います。
「ペット・サウンズ」=名盤 というのは、この頃には達郎さんや渋谷系のアーティストの盛り上げ効果でロックリスナーには既に常識となっていました。僕も「ペット・サウンズ」聴いて感動した訳ですが、この「駄目な僕」のピュアでイノセントな空気、既に枯れた雰囲気を醸し出していたブライアンに(元来渋好みの僕は)すっかり虜になってしまいました。
その数年後の00年代にブライアンの快進撃とも言える新作ラッシュ、未完の大作「スマイル」のまさかの完成に、全く枯れてなんかいなかった事に驚き、同時にこの頃個人的に、BB5の各アルバムも買い集めるようになって「BB5は、ペット・サウンズだけじゃない。」という事に改めて気づかされたり(僕世代にはこの逆転現象が結構あります。)どんどんBB5にはまっていったのでした。
ブライアンウィルソン 「駄目な僕~I JUST WASN’T MADE FOR THESE TIMES」

駄目な僕~I JUST WASN’T MADE FOR THESE TIMES

駄目な僕~I JUST WASN’T MADE FOR THESE TIMES

brian wilson - still i dream of it ('76 home demo)