00年代の活躍を予感させる作品。

「駄目な僕」ブライアンウィルソン

駄目な僕?I Just Was

駄目な僕?I Just Was

個人的に僕は、このアルバムでブライアンウィルソンの凄さを思い知らされた様に想います。
95年当時僕が持っていたBB5は「ペットサウンズ」「スマイリースマイル」とちょっと違法の匂いがするベスト盤の3枚。当時は大型レコードショップでもBB5のアルバムなんてそのくらいしか無かったように思います。
既に山下達郎さんや萩原健太さん、渋谷系なんて呼ばれていた人たちの大プッシュによって「ペットサウンズ」は世紀の名盤だという事は世間に浸透していたし、僕も繰り返し何度も聴いては感動していたけれど、それでもまだまだ解っていなかったと思います。
当時の時代背景や当時のヒット曲と比べた時に、当時のブライアンのマニアックなまでの深みやこだわりが見えてきます。まだまだ解ってないんでしょう。聴くたび発見だらけです。

で、この95年発表の「駄目な僕」はブライアンのソロも含めたセルフカヴァーのミニアルバムなんですが、50代になったブライアンが、20代に作った曲をリメイクする意味を考えた時、この人は過去の栄光にまだ縋って生きて行こうとは思っていない、もっとよくなる、という上昇志向を感じました。もちろんそうはいっても50代。声は枯れてますが、そこに味があります。
その後の彼の快進撃ともいえる活躍を予感させる作品です。

Brian Wilson performs The Warmth Of The Sun