「ヒストリー」の喜怒哀楽

ヒストリー : マイケル・ジャクソン

ヒストリー

ヒストリー

このブログでも前に書きましたが、「ヒストリー」というアルバムはなかなかあなどれない作品です。ただ、(マイケルが望んでそうなったのか、レコード会社の方針だったのか判らないですが、)2枚組で半分がベストアルバム、もう半分がオリジナルというへんな構成が、それまでオリジナルアルバムを買ってきたファンにはベストが邪魔だし、またその逆も然り。マイケルが劣悪なマスコミの餌食になっていた頃のリリースだったので、こうでもしなきゃ売れないという判断があったのでしょうが、もういい加減ベストを除いた一枚組「ヒストリー」を出したらいいと思うんですが。
まず「ヒストリー」の楽曲のほとんどが「怒り」「憤り」に満ちています。マスコミに対してだったり環境破壊に対してだったり、この頃のマイケルは苦しみながらメッセージを発信していたんだなと改めて彼の強さを再確認させられます。(ベスト部分が本当にジャマなんだな。)

「ヒストリー」の喜
1、「SCREAM」
ジャクソンファミリーでマイケルに次いで成功したのが末っ子のジャネットなのは言うまでもないですが、そのジャネットとのデュエット曲。ジャネットは本当にマイケルを尊敬していたし、ゴシップに惑わされずマイケルを信じていた事が一ファンとして嬉しいです。ジャネットは苦しむマイケルに語りかけるように「彼らの調べるあらゆる嘘に負けては駄目。」と唄ってます。マイケルにとってこんな心強い妹の言葉はないでしょう。
Michael Jackson - Scream


「ヒストリー」の怒
2、「THEY DON'T CARE ABOUT US」
冒頭にも書いた通りこのアルバムは「怒り」に満ちたアルバムです。それを一番象徴する一曲。
Michael Jackson - They Don't Care About


「ヒストリー」の哀
5、「EARTH SONG」
マイケルは真剣に美しい惑星、地球の未来を心配していました。この「EARTH SONG」然り、前述の「THEY DON'T CARE ABOUT US」然り、マイケルがラストショウと決めていたけど、死によって実現できなかった「THIS IS IT」の重要な一曲でした。(だから「ヒストリー」はあなどれない。)
Michael Jackson- Earth Song

「ヒストリー」の楽
15、「SMILE」
アルバムのラストはチャップリンが作った「モダンタイムズ」のテーマ曲。怒りに満ちたこのアルバムがこの最終曲で救われたような気持になります。(この曲を感動して聴くためにそれまでの曲があったと言っても過言じゃないくらい。)
Michael Jackson - Smile