低迷期における過去の楽曲の断片を挟み込む粋な曲。
70年代も後半になると、BB5の置かれる立場はいわゆる「AN AMERICAN BAND」と呼ばれるようになった事からも判るように、よく言えば「大御所」、悪く言えば「第一線からは退いた過去のバンド」になってしまいました。
ウィルソン3兄弟の長男でリーダーだったブライアンはもう10年近く、ドラッグアルコール過食等で精神的に破綻状態から抜け出せず(たまに復調もしますが、)、二男デニスは、ソングライティングに目覚めるも、バンドより自身のソロ活動に気持ちがシフトしてBB5に対する気持ちが薄れ、そして彼もまたドラッグアルコールに溺れてしまいます。
70年代の低迷期のBB5を実質けん引していた三男カールは、新メンバーを入れたり、路線を変えたり、BB5の改新に乗り出すも結果が出せず、逆にべストアルバム(「エンドレスサマー」「スピリッツオブアメリカ」)がミリオンヒットした事で、世間が「変わらない古き良きBB5」を求めている事を知って、リーダーシップをとる事をやめるようになります。
メンバーのアルジャーディーンがプロデュースした77年「MIUアルバム」、一時離脱していたメンバーのブルースジョンストンが復帰してプロデュースした78年「L.A.(light album)」はそんな時期のBB5のアルバムです。この2枚に収録されている下の三曲は過去のBB5の曲の断片を挟み込むことで、新曲でありながら古くからのファンも納得し感動させることに成功していると思います。(新しいファンをつかむ事には繋げたれなかったみたいですが…。)低迷期にあって輝く楽曲だと思います。
beach boys kona coast
(サビのコーラスが「夢のハワイ」(63年)です。)
The Beach Boys-Good Timin'
(終盤に「サーファーガール」(63年)のメロディが顔を出します。まさにグッドタイミング!)
The Beach Boys - Winds of Change
(終盤にデニス作の名曲「フォーエヴァー 」(69年)の歌詞がコーラスに。この6年後のデニスの他界を予言していたかのような曲のセレクト。)
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