雑誌「ガロ」での本秀康作品

本秀康さんの初期短編集は、「楽しい人生」「君の友だち」「楽しい人生 完全版」があります。僕は「ガロ」時代の本さんはタイムリーには読んでいなくてこれらの短編集で知ったのですが、収録順がバラバラだったので、収録順に並び替えてみました。↓

「ガロ」1995年 7月号 「パーティ大好き」
「ガロ」1995年 10月号 「JAZZMAN」
「ガロ」1996年 6月号 「お金を見つけた」
「ガロ」1996年 8月号 「君の友だち」
「ガロ」1996年 9月号 「心の友」
「ガロ」1996年 10月号 「かわいいハシヅメくん」
「ガロ」1996年 11月号 「DREAM AWAY」
「ガロ」1996年 12月号 「マイスイートロード」
「ガロ」1997年 1月号 「かわいい仲間」
「ガロ」1997年 2月号 「ヒコの旅立ち」
「ガロ」1997年 3月号 「タクヤのオヤジの部屋にて」
「ガロ」1997年 4月号 「フラれた気持ち」
「ガロ」1997年 5月号 「恋の連絡網」
「ガロ」1997年 6月号〜8月号 「アーノルド」

こうやって並び替えてみると本さんの成長がわかりやすい。…と思ったんですが、あんまり判らなかったです。ミュージシャンが曲順にこだわるように、短編の順番にもこだわりがあるだろうから、本さんにしたら余計な事しないでくれって話かもしれないですが。ただ95年の2作品と96年以降の作品ははっきり変化が見て取れます。
ちなみに「ガロ」に持ち込んだ作品は「パーティ大好き」と「ヒコの旅立ち」で、「パーティ…」の方が入選したわけですが、「ヒコ…」の落選理由はページ数が多いからだったというありえない逸話があるんですが、結果的にリメイクした「ヒコ…」が随分後で掲載されたことで、「ヒコ…」の名作度が上がって良かったと思います。(これがもし逆だったとしたら97年に「パーティ…」のシュールなギャグを掲載となるとさすがに、ネタ切れ感、失速感を読者は感じる事になったと思います。)
「君の友だち」収録の「マイスイートロード」は収録時に改稿されているので「ガロ」収録の物とは違うみたいです。しかし、本先生は「改稿」とか「リメイク」とか「リライト」とか「掲載作をもとに描き下ろし」とか…、要するに描き直しが本当に多い漫画家さんです。自作へのこだわりが強いからでしょう。


たのしい人生 : 本秀康

たのしい人生

たのしい人生

君の友だち : 本秀康

君の友だち

君の友だち

たのしい人生完全版 : 本秀康

たのしい人生完全版

たのしい人生完全版