ヴォーカリストとしてのブライアンの才能を思い知らされるBB5ナンバー、10曲。
作曲家、アレンジャーをしての評価は高くても、ヴォーカリストのブライアンウィルソンを評価する人は少ないと思います。なので僕の好きなブライアンソングを10曲に絞って、べたべた貼ります。(アルバム「ペットサウンズ」からは敢えて割愛。「ペットサウンズ」以降もブライアンのファルセットがもう出せなくなっているので無しで。)
「SUFER GIRL」(アルバム「サーファーガール」)
ブライアンが初めて書いたバラード。「キラキラ星」がベースのバラード曲はこれ以降もありますが、コード進行や転調など複雑になっていきます。この曲がサードアルバム「サーファーガール」でようやく録音されたのはまだBB5のメンバーではイメージ通りにコーラスが実現できないとのブライアンの判断からでした。
「IN MY ROOM」(アルバム「サーファーガール」)
「サーフィン」「海」「夏」「改造車」「学園モノ」と明るいテーマを唄ってきたBB5の初めての内向的な曲。ブライアンとゲイリーアッシャーの共作。それまで職業作曲家的だったブライアンが、自身の心情を初めて歌にした曲とも言えます。
「BALLAD OF OLE' BETSY」(アルバム「リトルデュースクーペ」)
曲中のベッツィは女性の名前ですが、歌詞を追うと、自分の中古の愛車に付けた名前だとわかります。「彼女は錆びついた鉄かもしれないが、僕にとっては純金だ。」ブライアンの声は優しさと愛に溢れてます。
「THE WARMTH OF THE SUN」(アルバム「シャットダウンVOL.2」)
JFケネディ大統領が暗殺された日、夕日を眺めながら作った曲。
「KEEP AN EYE ON SUMMER」(アルバム「シャットダウンVOL.2」)
イントロのファルセット「AH〜A〜A〜」だけで僕を常夏のカリフォルニアの夕日の沈む浜辺へ誘ってくれます。
「WE'LL RUN AWAY」(アルバム「オールサマーロング」)
ブライアンが唄うバラードは、単なるバラードにならずソウルフルでスピリチュアルですらあります。そしてあまりにあっけなくて儚い。
「BLUE CHRISTMAS」(アルバム「クリスマスアルバム」)
企画もののクリスマスアルバムから。
「PLEASE LET ME WONDER」(アルバム「ビーチボーイズトゥデイ」)
世間一般的にはBB5は「ペットサウンズ」で曲調が、がらりと変わったとされているように思いますが、「ビーチボーイズトゥデイ」のB面は既に「ペットサウンズ」を思わせる進化が感じられます。
「SHE KNOW ME TO WELL」(アルバム「ビーチボーイズトゥデイ」)
この曲も「ビーチボーイズトゥデイ」のB面曲。この風変わりなイントロ、Aメロ、Bメロからこのサビは予想できない。「ペットサウンズ」誕生が目前なのがわかります。
「LET HIM RUN WILD」(アルバム「サマーデイズ」)
「ビーチボーイズトゥデイ」で「ペットサウンズ」の断片が鳴っていたのに、次作「サマーデイズ」でまた逆行してしまったという解説は、半分当たっているけど半分間違っています。ブライアンの中で「ペットサウンズ」の構想はあったのですが4か月スパンでアルバムを作らなければならなかった事、夏に向けてのアルバムを作らなければらなかった事。要するに「ペットサウンズ」のような大作を作るには時間が無かったのです。では本当に昔に逆戻りしたかというと夏がテーマという事以外、全く違います。この複雑な構成の曲を聴けば目まぐるしく進化(前進)している事は明白です。ここまでデビューからわずか3年です!
「YOU'RE SO GOOD TO ME」(アルバム「サマーデイズ」)
ここに並べた10曲から、敢えて1曲選ぶならこの曲です。ブライアンの神がかった伸びやかなヴォーカルの素晴らしさ。
(特別枠)「SURF'S UP」(映画「AN AMERICAN BAND」よりデモヴァージョン)
11曲目だし「ペットサウンズ」以降なんで対象外の曲ですが、ヴォーカリスト、ブライアンの才能が桁外れに素晴らしいので貼ります。ここまででデビューからたった5年(BB5の歴史の10分の1!)です!「進化」が驚愕のスピードです。ここでいう「進化」はBB5の、とかブライアンの作曲家としての「進化」という意味だけではなくて当時の世の中のすべての「ロックポップスの進化」です。
Q「ロックの大作」は
ツェッペリンの「天国への階段」?クイーンの「ボヘミアンラプソディ」?イーグルスの「ホテルカリフォルニア」?クリムゾンの「クリムゾンキングの宮殿」?YESの「危機」?…。いーや、それらが世に出る5年も10年も前に、こんなに優れたシンフォニーポップスの傑作があるんです。答えは「SURF'S UP」で決まり。
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