天才ドラマーの加入
(前回のおさらい。)イアン、ジョン、アンディ、ピート、サイの5人のアマチュアバンドはいよいよ「ストーンローゼズ」を名乗るようになりました。順風に見えた活動。しかし…!
ザ・ストーン・ローゼズ・ストーリー 誕生と、解散と、復活と。
ザ・ストーン・ローゼズ・ストーリー 誕生と、解散と、復活と。
- 作者: ジョン・ロブ,小林正臣,沢田太陽,藤波真矢
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/08/07
- メディア: 単行本
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ローゼズ最初の脱退と天才ドラマーの登場。
ドラムスの「サイ」事サイモンウォルステンクロフトがバンドを抜ける事になります。いつの時代もそうですが、特に当時を考えるとアマチュアバンドでドラムス担当メンバーを確保するのはとても難しい事で、長年バンドで叩いてきたサイへの引き抜きの声は後を絶たず、将来の見えないバンドよりビッグネームの新プロジェクトへの参加に、他のメンバーも引き止める事が出来ませんでした。当然ながら最初にプロのミュージシャンとなったのはローゼズではなくサイで、元スペシャルズのテリーホールが作ったバンド「カラーフィールド」、「ウィーズ」を経て元「フォール」のマークスミスのユニットに長年在籍することになります。
ローゼズは元「ウォーターフロント」のクリスグッドウィンをドラムスに引き込みますが、リハに一度顔を出してそれっきり。バンドはドラムスメンバー募集の張り紙を町中に貼りまくって、ドラム無しでリハをし続けます。バンドの曲調はバンドを結成したきっかけだったパンクからは離れていきます。
ある日、張り紙を見たという一人の若者から電話がかかってきます。1984年の事でした。
その若者20歳の「レニ」事アランレンは、両親の働くパブで幼少期からドラムをおもちゃにしていました。オーディションを兼ねた最初のリハーサル(と、言ってもメンバーは多少叩けるなら誰でも即採用の気持ちでいました。)でメンバー全員が度胆を抜かれます。バンドのオリジナル曲をメンバーが演奏し始めると、話し合いもろくにしていないレニが、その初めて聴く曲に合わせて叩き始めました。
ピート曰く「凄い腕前だった。とにかく凄かったんだ。」アンディ曰く「まるでキースムーンのようだった。細かいテクニックも凄いし、難しいパートも難なくやってしまう。」曲が止まるたびにレニは「そのまま続けて。」と色々違うドラムパターンを披露。延々と続くジャムに、イアンは「これでいける。」と確信したそうです。バンドの心配はこんな凄いドラマーに自分たちの実力が追いついているのかでした。
心配事が事実となったのが、レニが叩くローゼズのデモテープを耳にしたのが、ロックの生きる伝説「フー」のピートタウンゼント!レニのプレイにかつてのバンド仲間、故キースムーンを見たピートは、自らのソロアルバム制作にレニを引き抜こうと試みますが、レニが「このメンバーとしかやりたくない。」と拒否。バンドの結束はより強まって、さあいざ快進撃!…かと思いきや、まさかのっ!!
次回に続く!