今年の夏も、これを聴かないと。 

今年の夏も、これを聴かないと。

ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ

ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ

アルバム自体は夏が終わっていく事の寂しさなんかが、描かれているコンセプチュアルな作品ですが、残暑前のお盆に、思い出して良かった。
BB5のデビュー50周年記念のリユニオンアルバムで、ブライアンウィルソン主導のBB5は77年の「ラヴユー」以来なのでそれも35年ぶりの事。
ブライアンにとって「ビーチボーイズ」は、自身がスターになって、音楽を仕事にするきっかけを作った反面、苦しみの対象でもあって、ドラッグ、アルコール、過食に溺れて永い鬱状態に陥らせた「怪物」だったんじゃないかと思います。90年代以降、健康を取り戻して精力的に音楽活動を出来るようになって、遂には未完に終わっていた大作「スマイル」を完成させた事が一番大きな自信の回復だったんだと思います。
健康と自信を取り戻したブライアンが、50周年に出したアルバムは結果的にラストアルバム、要するに永い事自分を苦しめた「ビーチボーイズ」という「モンスター」を終止符を打ったんじゃないかと、僕は(勝手に)思っています。
「結果的」にと書いたのは、アルバムが出来てワールドツアー中は、このメンバーで次もという考えもちょっとはあったと思うんですが、ツアー終了後にメンバーのマイクラヴが離脱を表明。「ビーチボーイズ」の名義の権利はマイクにあるので、残されたメンバーで新作を作っても「ビーチボーイズ」を名乗れません。
こんな事はファンにはお馴染みの「マイクのいつものわがまま」なのですが、敢えてマイクを擁護するなら、50周年リユニオンのバックは100%ブライアンウィルソンバンドです。ここ数年のブライアンの活躍を考えれば当然の事ですが、マイクにしてみれば自身のバンド(本家ビーチボーイズ)がある訳で、彼らの生活を守らないといけない立場。となるとこのマイクの行動も理解できなくもないです。
ただ、このマイクの行動で、正直ホッとしたのはブライアンだったんじゃないかと、(憶測ながら)想います。「ああ、これではっきりとビーチボーイズを終わりに出来た。」と。夏の終わりのコンセプトと、バンドの終わりと重なる部分もあるし。
憶測でほとんど書いていますが、僕は、勝手ながら「神の創りしラジオ」はBB5のラストアルバムだと言い切ります。「マイクのビーチボーイズ」が企画もの的作品を出したとしてもそれはBB5とは認めません。